- 2011/04/01 18:51
- Posted by : 古泉
※ゲームのエンディングのネタバレを含みます。
※問題ないぜ!という方は以下からどうぞ。
※問題ないぜ!という方は以下からどうぞ。
「こら古泉、その顔なおせよ……。そんなんじゃ帰れないだろ」
「だ、だれのせいですか……!」
「早くいつものムカつくニヤケ面に戻れ。そんなかわいい顔、俺以外の奴に見せるわけにいかん」
「……だって、直らないんだから、仕方ないでしょう!」
「あーもう、ちくしょう、そんなにかわいい顔してるとな」
「な、なんですか」
「もっかいちゅーしてやる」
「え? ちょ、ちょっと、ま」
ちゅっ!
「なななん、なにするんですか、あああああ! よけいに戻らないじゃないですかああ!」
「うるさい、ちゅーの一回や二回同じようなもんだろ!!」
「うう…そういうあなたも、真っ赤ですけど……」
「ほっとけ! いいか全部お前のせいだ! 古泉のくせにかわいいなんて生意気だ!」
「なにげにひどいこと言いますよね、あなた」
そう言いつつも、まるで二人は鏡に映したように、顔の色が戻らない。
僕たちは手を繋ぎ合いながら、破顔して笑いあった。
「……はは。もう、なんでもいいや。真っ赤ついでだな。」
「はい……」
今度は額に。ほお紅を付けたような頬に、キスを落としていく。
それから心得たように、もう一度、くちびるを重ねた。
そっと触れるだけで離れ、すぐにまた待ちきれないように、触れる。
真っ赤なままで、何度も、何度も、くりかえした。
今まですれ違ってきた長い時間を、離れていた心を、少しずつ摺り合わせるように。
少しずつ、近づけるように――。
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