エンドレスエイト

一万何千回も繰り返した夏の日々。
その何千回目かで古泉は、髪にリボンを飾ってみせた。


やつは「ふふっ」と笑い
似合いますか、と囁いた。




無事長月を迎えた今となっちゃ
まわりは薄ぼんやりとも覚えちゃいない。

それなのに、
古泉の姿だけはこんなにも
くっきりはっきり覚えている。



やつの確信的な行動に、
俺はまんまと嵌められた。

やつの無言のラブコールは
俺の胸をチクリと刺した。



それは抜けない棘となり
俺を釘付けにしている。
文:ぴこ