身長差

点瑠さんがSSつけてくれたので光の速さで掲載っ!


きっかけは、取るに足らないことだ。
授業中になにやら思索に励む背中側のハルヒから、ふいに意識を逸らし、窓から見下ろす校庭。

九組の男子が、校庭でサッカーをしていた。

なんでそれが九組だと分かったかって?
細かいことは詮索するな。
知能の高さと容姿は比例するのか、なぜか特進クラスの九組には全体的に均整が取れたやつが揃っている。
その上で、雰囲気が大人びて落ち着いている。五組の連中とは大違いだ。
なんとなく遠くからでもわかる。
べつに、古泉のクラスが今日体育のある曜日だと把握してるとか、そういうんじゃないぞ。断じて違う。
確かに、なにを曲がり間違ったのか、俺たちは互いに憎からず思っている間柄ではある。
が、時間割まで熟知するほどバカではない。

五組と九組という離れたクラスであることから、俺たちが合同授業でいっしょになることはない。
当然、球技大会か体育祭くらいしか、あいつの体操着姿を近くで視界に入れる機会はないわけだ。

ぼんやりと古泉を目で追っていると、
クラスの男子たちに囲まれて、笑顔をふりまいているあいつについ目がいってしまった。
当然、古泉は体操着だ。……体育だからな。
俺は視線を戻す。

ノートに集中しようと睨むが、さっぱり頭に入ってきやしない。

俺はむしゃくしゃしていた。
そうだな、悔しいが認めてやる。
そのつまらない上にくだらない感情には、先代の偉い人が発見してつけたのであろう立派な名前がついているのさ。

それから。
放課後、朝比奈さんの着替えタイムで部室を追い出された俺と古泉は、扉の前に並んだ。
なんでもないふうを装って、言う。

「今日おまえん家行くから」

体操着……を着てもらうのは、変態じみている。
いやまるっきり変態なので、着てくれとは言えやしないが、な。


独占欲アリアリのキョンが良いぃぃ!
点瑠さんありがとうございましたっ!